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生産性向上の目的

2020-1-20 15:57  執筆:oh

「生産性向上が急務」と毎日のように見聞きします。

今日の新聞でも、月80時間超の残業をしている人が推計で約300万人及ぶとの記事がありました。

 

個人的には、生産性の向上自体は大賛成で、私の事務所でも「少しでも早く帰れる時は帰る」ことを弁護士や職員に徹底し、実践していますし、有休の取得、通院等のための遅刻や休暇も当然のようにすべて認めています。他にも業務効率、顧客満足のためのITを含めた各種投資は常に意識し、実践しています。

 

弁護士については、休日や夜間に対応しなくてはならない相談、案件、その他活動が多々あるため、「8時間×月~金勤務」はなかなか実現しませんが、それでも最近は土日は基本的にお休みとし、平日も「12時間以上」働くことだけはしないようにしています。

以前は土日も当然のように働いていた時期がありますが、そうなると自分自分にとっての心身の負担が大きく、周囲の人にもその影響が及びます。疲れた体で相談や案件をこなすことも不適切かつ弁護過誤にも繋がりかねないので、最近は土日は原則完全休業としている次第です。(それでも出張や講師依頼や集会への参加など避けられない案件は多々あります)

 

私の一日の労働時間については、8時間での帰宅はちょっと難しく、10時間から12時間勤務となることが多いようです。ただ、上記のとおり、12時間勤務は非常にストレス負荷が高くなり、翌日にも影響を生じます。そのため、12時間に及ぶ勤務はできるだけ避けていますし、12時間超などもってのほかです。

 

かなり健康的で心身共に丈夫な私ですらこういう状況なので、やはり一日8時間、月~金勤務というのは非常に理にかなった制度だとつくづく感じます。

 

そんな中、冒頭の「生産性の向上」に戻りますが、それ自体は、皆賛成と思います。問題は、生産性向上の呼びかけのために、労働時間は削られ、同時に残業代も削られ、他方で賃金自体は向上しないということだけは避けなくてはいけないということです。

生産性は結局、投じた労働時間が減れば割合的に比率が向上するのは当然のことです。(分母=労働時間、分子=成果物なので)

むしろ、生産性を向上し、今まで以上の成果物を得ること、その上で得た成果物による収益を労働者に還元することを最終目標としなくてはなりません。

 

しかし、多くの企業において、そこまでのことを具体的目標としているようには、ちょっと私には感じられませんし、報道を見ていても、「生産性の向上=残業のカット」しか念頭にないように思います。

それだと、残業を隠すようになるか、残業をカットして残業代もカットされるようになるかという結論しかありません。

そうではなくて、労働時間を短縮しつつ、より良い成果物を得て、その対価を適切に労働者に分配することが生産性向上の本当の目的なはずです。

 

このことを多くの人が認識して、これからの社会を作っていく必要があると思います。

 

 

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